2021/3/13 カーチュン・ウォン×東響+藤田真央
2021-03-14


藤田 真央は音量はそれほどでもないが、一つひとつの音が清潔で良く通る。軽やかに転がっていく。だから、悲劇的で激情が迸るような「24番」がなぜか儚い。特に二楽章のラルゲットなど淡く儚い。「24番」の別の面を垣間見たような気がして、これはこれで魅力的ではあった。
 アンコールは初心者のためのピアノソナタハ長調一楽章、二楽章が聴きたかったけど、音質的にもこの曲はぴったし。 

 休憩後、後半はシベリウス「2番」。
 指揮者カーチュン・ウォンは以前聴いているが、プログラムが思い出せない。いよいよ呆けたか。もちろん古い話ではない、2、3年前、東響と組んでいる。検索してみると、2018年、共演が郷古廉でブラームスのコンチェルトとショスタコーヴィチの「5番」だった。ヴァイオリン協奏曲の記憶はなんとか蘇ってきたが、交響曲のほうは全く辿ることができない。
 ネットでは先だっての日フィルとの演奏が絶賛されている。今度は注意深く聴いたわけだ。しかし、やはり駄目だ。クライマックスや弱音のところで極端にテンポを落とすが、わざとらしいと此方の気持ちが反応してしまう。休止の前後がうまく繋がって行かない、流れに乗れない。
 ようは、コバケンや上岡敏之やテミルカーノフと同じように相性が合わないということ。終演後、拍手喝采だったから、感銘を受けた人も多かったのだろう、まぁ、人それぞれだ。これから先、カーチュン・ウォンを積極的に聴くことはないと思う。

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