2024/4/28 太田弦×東響 J.ウィリアムズ「スター・ウォーズ」
2024-04-28




東京交響楽団 名曲全集 第196回

日時:2024年4月28日(日) 14:00開演
場所:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:太田 弦
共演:ピアノ:田村 響
   合唱/東響コーラス
演目:L.アンダーソン/ピアノ協奏曲 ハ長調
   A.ニューマン/20世紀フォックス・ファンファーレ
   J.ウィリアムズ/映画「スター・ウォーズ」から
〓     メイン・タイトル
〓     アナキンのテーマ
〓     運命の闘い
〓     アクロス・ザ・スターズ
〓     英雄たちの戦い
〓     帝国のマーチ
〓     ヒア・ゼイ・カム
〓     ハン・ソロとレイア姫
〓     ルークとレイア
〓     エンド・タイトル


 名曲全集の今シーズン開幕は、映画「スター・ウォーズ」からJ.ウィリアムズの音楽をどっさりと。指揮の太田弦は楽譜研究が趣味という学究肌だが、どこかのインタビューで“「スター・ウォーズ」シリーズが好きで、子どもにスター・ウォーズ教育をしている”と語っていた。

 「スター・ウォーズ」音楽の前に、田村響のソロでルロイ・アンダーソンの「ピアノ協奏曲」。「タイプライター」や「そり滑り」「トランペット吹きの休日」などオーケストラの小品をたくさん書いた彼の唯一の大曲?演奏時間20分。3楽章構成やソナタ形式、フーガ風展開など枠組みはクラシックそのものだが、旋律、リズム、和声といった中身はミュージカル映画で流れる音楽のように親しみやすい。ソロもオケも一寸几帳面だったかも、もう少し弾けてもよかった。クラシック、ジャズ、ラテンなどがごちゃまぜになった明るく活き活きとした曲だった。

 休憩後「スター・ウォーズ」の音楽。ご丁寧にも映画配給会社である20世紀フォックスのオープニングミュージックで盛り上げる。「ファンファーレ」が流れると一段とテンションが高まる。そのまま「メインタイトル」から「アナキンのテーマ」へ。スター・ウォーズを愛する太田弦が選んだ怒涛の10曲である。音楽は映画のエピソード1から6までの物語順に配置されていたが、例えば、合唱を伴う過激な「運命の闘い」と「英雄たちの戦い」の間にアナキンとパドメの愛を歌う「アクロス・ザ・スターズ」を挟んで泣かせるといった心憎い選曲、気がつけば「エンド・タイトル」、あっという間に45分が終わった。
 東響コーラスはいつものように圧巻の声量、東響も好調で楽器のバランス、迫力とも申し分ない。上間、ローリー ディラン、鳥塚を筆頭に金管群の最強音と最弱音に惚れ惚れする。清水太を中心とする打楽器陣は切れ味鋭く、竹山、最上、福井などの木管たちは優しく抒情を掻き立てる。極上のエンターテインメントだった。

 拍手喝采をうけてアンコール。舞台の照明が落ち、コンマスのニキティンがストームトルーパーの白い被り物を装着し、指揮者がいないまま「帝国のマーチ」を演奏し出した。そして、曲の半ばになって太田弦が黒ずくめのダース・ベイダーのコスプレで登場。舞台から降りて客席の前方を歩き回ったあと、指揮台に戻って曲を締めた。会場はどよめきの渦、お客さんには大うけ。音楽だけでもちろん満足したけど、あらためて映画が観たくなった。
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