2024-05-01
こじんまりとした、というより本当に小さな美術館、小学校か中学校の教室ひとつ分のスペースもなさそう。そこにエミール・ガレとアンジー・ルソーの作品が50点ほど展示されていた。
「みらい美術館」は、みなとみらいに位置する横浜歯科医療専門学校の学園内にある。学園の創設者が歯科技工とガラス工芸には共通性があるということで、ガラス芸術作品を蒐集してきたのだという。
美術館は常設ではなく年2回の企画展のときのみオープンする。今回の「エミール・ガレとガラス芸術展」は“歯科医の審美眼”という副題のもと連休明けの6日まで開催している。次回の企画展は9月を予定しているとのこと。
展示品はガレとルソーがほぼ半々、他の作家が数点ある。ガレの作品は吹きガラス(吹き竿の先のガラスを膨らませる)と被せガラス(色の異なるガラスを重ね図柄を彫刻する)、ルソーはパート・ド・ヴェール(ガラス粉を型に充填し焼成する)工法で造られている。
ルソーは歯科技工を習得後、陶芸学校に学び、パリ近郊に自分の窯を開きパート・ド・ヴェール技法の研究を開始したという。薄ガラスの小型ランプが中心で、古代の遺跡から発掘されたようなアンティークで独特の風合いをもつ。パピリス文様のランプもあった。
ガレは大き目の花器に夾竹桃、藤、紫陽花、桐、葡萄といったお馴染みの植物文様が施されている。ガレ没後のガレ工房の作品が多いというが見分けはつかないし美しさは変わらない。
展示品のひとつひとつは照明に細心の注意が払われ神秘的な輝きをみせていた。
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