2025-08-30
「トゥーランガリラ交響曲」は全10楽章のうち5楽章までの前半と、6楽章以降の後半の2つの交響曲として聴くことができる気がする。前半は「序章」と有名な第5楽章の「星たちの血の喜悦」の間に、二つの「愛の歌」によって「トゥーランガリラ」が挟まれている。「星たちの血の喜悦」はフィナーレにも匹敵するほどの高揚感がある。後半は「愛の歌」と「トゥーランガリラ」が交互に歌われ「終曲」を迎える。音の洪水である。第6楽章の「愛の眠りの園」の陶酔感は「トリスタンとイゾルデ」に似ている。
田部井剛はワインディングロードを走るがごときスリリングなところはなく、どちらかというと平地を安全運転している風。アマオケ相手だから無理もない。しかし、この難曲を大きな破綻なく乗りこなした。指揮、オケともども大健闘であった。
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